
233年前の今日、バスティーユ襲撃を契機に勃発したフランス革命。
フランス革命はわれわれを魅了し、当惑させ、奮いたたせることをやめない。(中略)フランス革命のドラマ、成功と悲劇、そしてそれを押し止め、あるいは押し戻そうとする企ての規模によって、二世紀以上にあたり学者たちはこの主題に魅了されてきた。
ピーター・マクフィー著『フランス革命史 自由か死か』p12
フランス革命を研究する歴史家のピーター・マクフィー先生のこの言葉の通り、ドラマティックで、人を惹き付けてやまないフランス革命。 そんなフランス革命に出会ったことがわたしがフランスという国に並々ならぬ興味を持つようになった、最初のきっかけでした。 ということで、今回はここ数年で色々とフランス革命周辺の時代が描かれた本や映画や舞台を見てきたわたしのイチオシたちを紹介しようと思います。
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まずは革命といえば連想する人も多いと思われる、悲劇の王妃・マリーアントワネットに関する作品。 この作品はマリーアントワネットと平民のマルグリットアルノーという同じイニシャルを持つ二人の女性の運命を描いています。
ミュージカル界では有名すぎるほど有名なミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイの作品で、音楽がとにかくヨーロッパ的で重厚。
マリーが死んだところから始まって、それまでを振り返るような形で物語が進むので、プロローグからギロチンで禍々しいです(いい意味で)フェルセンのマリーの死を嘆く曲が一曲目にあって、マリー過激派であるわたしはそれにとてつもなく同調してしまって、「ほんとだよなんで殺されなきゃいけないわけ?悪いところがなかったとは言わないけど、パンがなければなんて言ってないし、ちょっと贅沢したかもしれないけど別に財政的には微々たるものだし、王族らしく贅沢することは何もかも奪われて殺されるほどの罪なんですか??納得できないわ、あんなに善良で気高くてかわいい人なのに」と思って悲しみとやりきれなさで感情がぐっちゃぐちゃになってスタートします。
そんな中「Bon soir!」と出てくるマリーのかわいさ。世界中のかわいいを集めたような愛らしさなので見てほしい。フェルセンが命を賭して守ろうとしたのすごくわかるし絶対に死なせたくないと思ってしまう、、何度見ても死んでしまうのだけれど。
ところでわたしは過激な王党派(というか王妃派)なので「そんな現代によくある性欲ありきの不倫のような汚らわしい関係ではなくて、これは美しすぎる愛なので!」と思ってしまって、フェルセンのことを愛人って呼ぶのに抵抗があるんですけど、恋人だと軽い気がしちゃってうまい言葉が見つけられないんですがなんて言えばいいんですかね。amour??
閑話休題。 わたしはソニンちゃんが好きなこともあり、2018の公演も2021もDVDもマルグリットはソニンちゃんで見たんですが、歌の迫力と表現力がとんでもないです。ソニンちゃんは革命がとっても似合う。マリーとのデュエット曲の「憎しみの瞳」という二人がバッチバチに喧嘩する曲があるんですが、お二人ともかっこよくて一生聴いていたい勢いです。 あと歌でいうと、2018でオルレアン公をしていた吉原光男さんの圧倒的声量が「この男にターゲットにされたら絶対につぶされる……」という迫力で、強大な野心を感じ取れて大変好きでした。2021の時に見た上原理生さんも安定に歌がうまくてよかったし、オルレアンはとってもおすすめポイント。にしてもオルレアン本人ではないけれども、息子が本当に王座についちゃうんだから権力への執念が実っていてすごいですね。そしてフェルセンはどのフェルセンもかっこいい。ベルばらを読んだ時から思っているけれど、フェルセンよりいい男、きっと何十万年ものホモ・サピエンスの歴史を全部遡ってもいない。あの手この手でマリーを救おうとするのに全然うまくいかなくて結局あんなことになるの悲しすぎる。みんな幸せになってほしいだけなのにどんどん不幸になっていく、、、
この作品はマリーの人生を通して、実態を知らないのにゴシップや本当かわからない記事に踊らされることの危険とそれによって何も悪くない人が悲惨な道に追いやられてしまうこととか、正義の反対は悪ではなくてまた別の正義であることなどを伝えている作品で、わたしがマリーへの意味が分からないくらいに激重な感情を持っていることを差し引いてもいろんなことを考えさせられる作品です。
と言いつつわたしはと言えば、例えばマリーといえば「パンがなければ~」みたいな風潮がものすごく不愉快で、これ最初に言い出した人絶対に許さない!って思うくらいなんですけど(だってあんなひどい目にあった上に殺されたのに、後世でも遠い国の人にまで言ってもいないことで貶められるなんてひどすぎませんか?言ったことなら仕方ないけど。おいたわしい以外の言葉がない)、こういうのが争いを生んで報復と憎しみが連鎖していくんだなあとわかっていながらも不愉快になる気持ちはまったく抑えられないので、こういう些末なところからも人間の争いを無くすって難しいなあと思ったりします。もっと感情を制御できる人間力の高い人間になりたい。
なにはともあれ、泣けるし音楽はいいし、とにかくわたしの推しがかわいくて気高くて最高にいい女なので全世界の人に見てほしいです。
https://www.youtube.com/embed/7Rb_bgNx9OA?rel=0
「マリー・アントワネット」2018年版キャストDVD ♪A version mall.toho-ret.co.jp
ちなみに原作は遠藤周作さんのこちらです。こちらもミュージカルとはだいぶ違いますがさすがの遠藤さんでおもしろかったです。